縄文時代そのままの手法で土器を作り、焼く。素朴な土の香りと激しい炎に、参加者は心を躍らせ、胸を弾ませる。「縄文の炎・藤沢野焼祭2018」は8月11、12の両日、藤沢運動広場「特設縄文村」で開かれ、審査の結果、761点の頂点には千松自治会の作品「ハンパね~千松犬」が選ばれました。古里藤沢で43年にもわたって愛され、育まれた「藤沢野焼祭」をリポートします。

8月11日

前日までの雨が嘘だったかのように夏空が広がり、会場の藤沢運動広場「特設縄文村」は、容赦なく照り付ける日差しと祭りに参加した人々の熱気で日中からヒートアップ。43回目の藤沢野焼祭は、猛暑の中での開催となりました。

日が沈むころ、縄文人に扮した中学生によっておこされた火は、勝部修大会長と千葉均実行委員長の手で会場中央に設置された祭りのシンボル「縄文の炎」に点火され、勢いよく燃え上がる火柱に拍手と歓声が沸き起こりました。

縄文人に扮した藤沢中生徒が縄文時代の手法で火をおこした
勝部修大会長と千葉均実行委員長が「縄文の炎」へ点火

 

作品が入れられた縦8㍍、横4㍍の窯11基には、金子賢治審査委員長らが縄文の炎から分火し、大小761点の作品が夜を徹して豪快に焼き上げられました。

縦8㍍、横4㍍の窯11基で761点の作品を焼き上げた

開会行事の後、長年にわたって審査委員を務めるなど藤沢野焼祭を献身的に指導、支援し、今年3月にお亡くなりになったリチャードスタウビッツさんに感謝状が贈られ、本間妙子さんが代理受領しました。

祭りの発展に尽力したリチャードスタウビッツさんに感謝状が贈られた(本間妙子さんが代理受領)

イベントステージでは、「二日町祭神太鼓」「サンイチ三味線」「藤沢スペシャルマーチングバンド」「ダンスパフォーマンスinふじさわ」「藤沢音頭」「KJQ」(気楽にJAZZカルテット)が息の合った演奏や演技を披露したほか、初のスタンプラリー抽選会が行われ、夜遅くまで盛り上がりました。

勇壮な和太鼓を響かせた二日町祭神太鼓
世界大会3位の演奏で会場を沸かせたサンイチ三味線
子供から大人までが一つになって見事な演奏を披露した藤沢スペシャルマーチングバンド
SHUHOさんの指導で軽快なダンスパフォーマンスを繰り広げた藤沢中生徒と一般参加の皆さん
世界的ダンサーSHUHOさんは一関市出身。圧巻のダンスで会場を魅了
フリー参加の藤沢音頭。今年も大勢の人が踊りの輪をつくった
前回は雨のため野外での演奏ができなかったKJQ。レベルの高い演奏でイベントのトリを飾った
初の試みとして「食べていがin買っていがinふじさわスタンプラリー事業」の第1回抽選会を野焼祭で実施

 

8月12日

午前7時を過ぎたころから窯出しが始まりました。真っ白い灰の山から次々と作品が取り出され、一晩かけて命が吹き込まれた作品との再会に、あちらこちらの窯から歓声が上がります。今年は、会場部の工夫や野焼部の指導のかいがあって、焼き上がりは上々です。

作品審査は、午前9時から行われ、金子賢治審査委員長をはじめとする8人の審査委員が厳正に審査しました。第1審査で96点を選び、第2審査で25点に絞り、第3審査で各賞を決定しました。その結果、最高賞の塩野半十郎大賞には、千松自治会の作品「ハンパね~千松犬」が選ばれました。千松自治会は、最多となる4度目の大賞受賞です。

早朝の窯出し。真っ白い灰の中から作品を取り出していく
焼き上がりは上々。今年の作品は力作ぞろいで審査委員を悩ませた
最多となる4度目の大賞を受賞した千松自治会の皆さんと「ハンパね~千松犬」

藤沢野焼祭2018審査結果