藤沢野焼祭の取り組み

藤沢野焼祭大会長
一関市長 佐藤 善仁

縄文土器は、縄文人の祈りと願いが込められている心の作品であります。藤沢野焼祭は、その縄文人の心と文化を今に蘇らせようとする祭りです。縄文時代のそのままの手法で土器を焼き、土の香りと天高く燃え上がる炎に、私たちが忘れがちな自然への祈りと豊かな精神を取り戻すかもしれない土と炎と風の祭典です。

1976年8月、日本を代表する実践考古学者で、今は亡き塩野半十郎先生から窯づくり、焼き方、竪穴式住居の建設方法など全般にわたり、先生の貴重 な研究成果を提供していただき、祭りの開催にこぎつけたものであります。

祭りの開催にあたっては、その回その回の実行委員の苦労がありました。 第1回の開催は、藤沢小学校旧本郷分校校庭が会場で参加作品百点余りの陶芸の愛好家たちの作品だけでした。しかも大半の作品は、町外の人の作品でした。それまでこれといって藤沢を代表する祭りがありませんでしたが、全町的祭りにしようと「継続は力なり」を合言葉に町民総参加型の祭りとして回を重ねてきました。

藤沢野焼祭は、縄文をメインテーマとして、自分たちの手でイベントを企画し、住民手作りの祭りとして開催することを基本としてきました。

第15回(1990年)からは、故岡本太郎先生、池田満寿夫先生、辻清明先生など著名な方々のご支援をいただきながら、陶芸を愛する方々、そして地域の方々と共に文化の香り高いまちをめざし、全国に誇れる一関市を代表する文化行事となりました。

最後に、故塩野半十郎先生に改めて敬意を表するとともに、祭りに対しご後援、ご協賛をいただいております関係機関、団体、企業の皆様、そして地域住民の皆様に心から感謝と敬意を申し上げます。